狂犬病対策

狂犬病と世界の発生状況

日本での発生は?世界では?

1958年(昭和32年)以降、日本での発生はありませんが、1970年に旅行先のネパールで犬に咬まれた邦人男性が帰国後発症し亡くなった事例があります。

また、2006年11月にはフィリピンからの帰国者2名が相次いで狂犬病を発症しています。
一方、世界では今なお多くの国で狂犬病が発生し、年間4万~7万人が死亡しています。

詳しくはヒトの狂犬病について(厚生労働省)をご参照ください。

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2013年7月16日台湾行政院農業委員会は、狂犬病ウイルスに感染した野生のイタチアナグマ3匹が確認されたことを公表しました。これにより2013年7月17日現在、狂犬病が発生していないのは、日本、アイスランド、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、英国(グレートブリテン及び北アイルランド)、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ諸島、グアム 以上11の国と地域のみです。

島国や高い山脈に隔てられた半島など地理的に動物が行き来しにくい地域に限られています。
日本にいるとあまり実感できませんが、世界的には、狂犬病の発生は増加傾向にあります。海外との人や動物の移動が盛んな今日では、日本に狂犬病がいつ侵入してきてもおかしくない状況にあります。
1997年まで狂犬病の発生が無かったインドネシアのフローレス島では、漁師の船に乗って来た、たった3頭の犬の中から狂犬病が発生し、3年後には全島に流行しました。流行を阻止するために50万頭の犬(犬総数の63%)が処分され、3年間で計81人が死亡しました。

また世界の発生状況(WHO、2004年)では、年間の死亡者数推計が55,000人(うち、アジア地域31,000人、アフリカ地域24,000人)にのぼり、年間の暴露後ワクチン接種者数推計 1千万人にもなっています。

狂犬病は、一度侵入し流行してしまうと、その撲滅に莫大な時間と費用がかかり、また多くの命が犠牲になってしまいます。
疫学的には、集団の70%以上が予防接種を受けていれば、感染症の流行を防ぐことができると言われています。
万が一の狂犬病侵入に備えて、発生の無い日本でも、狂犬病予防注射は重要なのです。

動物感染源

地域によって狂犬病は、発生する動物種に特徴があります。
アフリカ、中米、アジアの地域では、狂犬病のほとんどが犬で発生しており、犬が主な感染源となっています。
日本国内で狂犬病予防の対象が犬となっているのは、こうした地域的特性から来ています。
一方、北米では、アライグマやスカンク、ヨーロッパでは、キツネ、南米ではコウモリで多く発生しており、これらの動物も感染源となっています。

以上、大阪府HP参考